株式投資で大きなリターンが期待できる新興国とは?注意点も解説!

株式投資は長期投資で時間を味方にして、少しずつ資産を増やすのが常套手段です。

しかし急成長が望まれる銘柄の株式や投資信託を選ぶことで、短期間で一気に資産を増やすことも不可能ではありません。

短期間で資産を増やす場合と、長期投資による利益を目的に選ぶ銘柄とは大きく異なります。

短期間で資産を増やしたいときにおすすめの銘柄のひとつが新興国株です。

本記事では新興国株とはどんな株かを解説し、現在注目されている新興国をいくつか紹介します。

目次

新興国とはどんな国?

新興国株について解説する前に、まずは新興国とは具体的にどのような国が該当するのかを解説しましょう。

新興国の定義

新興国とは、先進国と比べて現時点では経済水準が低いものの、先進国を超えるほどの高い成長が期待できる国が該当します。

新興国がどのような国を指すかについて、世界共通の定義はありませんが、国際通貨基金(IMF)では、3つの基準で新興国を分類しています。

  • 1人あたりの所得
  • ふたつ目の定義は輸出品目が多岐にわたるか
  • 世界の金融市場と強いつながりを持っているか

ちなみに全世界の1人あたりのGDP(国内総生産】の平均は12,042ドル(1ドル148円で178万円)であり、この金額を基準に新興国であるか否かを選定します。

次に輸出品目に関しては多種多様な輸出品目がなければ強い経済成長が見込まれないため、選定基準として定められています。

世界の金融市場との繋がりについては、金融市場との繋がりが弱ければ外国人投資家からの投資を期待できません。

投資家からお金を集められるかどうかは、企業のみならず国全体の成長に大きく影響することは言うまでもないでしょう。

2023年時点で、IMFは155の国と地域を新興国に分類しています。

現在の国連加盟国は193カ国であり、およそ80%の国が新興国として選ばれていることになります。

新興国株式とは新興国に拠点を持つ企業の株式のことで、伸びしろがある国の企業の株式に投資すれば大きな成長が期待できることから、一気に資産を増やしたいと考えている投資家からは注目の対象となっています。

先進国とは?

では、先進国とはどのような国を指すのでしょうか。

実は新興国と同様に、先進国についても世界共通の基準は存在しません。

先進国の定義としては、経済発展が進んで、全世界の国の中でも先進的な水準に達している国とされています。

しかし、数値的な定義はありませんが、国際的に先進国として認定される基準はあります。

それはOECD(経済開発協力機構)が発表しているODA(政府開発援助)の受取国リストに掲載されている国は発展途上国となります。

つまりODAに記載されていない国は先進国に定義され、発展途上国に援助する側にあたるといえます。

先進国に認定されている国のうち、米国、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダは「G7」と呼ばれ、国連でも強い影響力を持つ国々です。

新興国株のメリット

新興国株が世界の投資家から注目されているのは、新興国株を購入することでほかの株式では得られないような大きなメリットを得られるからです。

新興国株お購入することでどのようなメリットが得られるのか、をここでは解説します。

急激な経済成長の恩恵を受けられる

新興国株最大のメリットは新興国の急激な経済成長の恩恵を受けられるという点です。

新興国株の購入を検討しているならば、新興国がなぜ急成長を遂げるポテンシャルを秘めているのかを理解していく必要があるでしょう。

経済が成長するにはモノを生み出さなければなりません。

モノを生み出すためには「人」が必要不可欠で、これからはAIの発展によって人手が必要なくなると言われてはいても、人がいなければ生産も消費も生まれないのは変わらないでしょう。

たとえ1人あたりのGDPが低かったとしても、人口が増えればトータルのGDPは増えます。

新興国はこの人口増加が先進国などと比べると著しいからこそ、高い経済成長が期待できるのです。

特に「生産年齢人口」の割合が高い国は、医療や年金などの出費が少ないうえに、豊富な労働力と消費意欲が良好なサイクルを生み出して一気に経済が成長していきます。

そして、新興国はインフラ投資をすることによるリターンが非常に大きいことにも注目しなければなりません。

新興国は先進国と比べると道路や鉄道、そして電気・ガス・水道がまだまだ脆弱な状態です。

だからこそ、インフラⅡ投資をして生活が豊かになれば、経済効率が向上し、最終的に国全体が一気に成長します。

ちなみに経済産業省の「通商白書2016」という資料によると、停電率の低い国は経済成長率が高い傾向にあるそうです。

株式を購入する際に、国の停電率をチェックする人は少ないので、まだあまり知られていない国の株式を買いたいと考えている人は、各国の停電率にも注目するとよいでしょう。

短期投資と相性が良い

新興国は急激に成長するため、短期投資との相性がとてもよいです。

短期投資は基本的に購入した株式をずっと持ち続けるのではなく、株式を購入して一定以上価格が上昇すれば即座に売却します。

新興国株は国全体の経済成長の恩恵を受けて、先進国をメインに取引する企業と比べると株価の上昇度合いが桁違いです。

短期投資のメイン手法となるキャピタルゲイン目的の投資先としてこれほど適している投資対象はほかにないでしょう。

現在の先進国全体にいえることですが、すでに成長は鈍化しており、人口増加もそれほど順調ではありません。

それどころか日本だけではなく、先進国全体が少子高齢化への道を歩んでおり、今後は緩やかに経済力が低下していくであろうというのが大方の予想です。

今後は先進国ではなく、新興国が世界経済を牽引する存在となっていくことでしょう。

現時点では新興国株は一部の投資家にしか買われていませんが、今後はメインの投資対象となっていくかもしれません。

先行投資によるリターンが大きい

新興国株は先行投資によるリターンが非常に大きいのもメリットです。

新興国株はまだ多くの人に注目されていない銘柄も多く、株価が高額になってしまっているものはほとんどありません。

株価はその企業が成長し、多くの投資家に注目されて投資が増えれば高くなっていきます。

投資家に注目される前にその銘柄を購入することを先行投資といいますが、先行投資に成功すれば株価上昇による差額の利益は非常に大きいです。

通常、先行投資はその業種のニーズや将来性などを分析しなければなかなか成功しませんが、新興国の企業であれば国全体が一気に成長するので、その国が成長するかどうかの分析さえ正確ならば、どの企業の株式を購入しても大きなリターンが期待できます。

新興国株のデメリット

新興国株は非常にリターンが大きいため、特に短期投資で一気に資産を増やしたい人に注目されています。

しかし、新興国株だけではなく、大きなリターンが期待できる投資にはそれ相応のリスクがあることを頭に入れておかなければなりません。

新興国株のメリットだけではなく、デメリットについてもしっかりと理解しておくようにしましょう。

カントリーリスクの影響が大きい

新興国の株式を購入する時に特に注意しなければならないのが「カントリーリスク」です。

新興国は大きな経済成長が期待できる反面、国の情勢そのものは不安定であることが多く、政治・経済・社会情勢が急変する可能性も高くなっています。

カントリーリスクは主に4つに分けられ、具体的には以下のようなものが該当します。

  • 政治リスク:革命、政権交代による制度・規制や政策の変更など
  • 経済リスク:急激なインフレ、通貨の急落、国債の債務不履行など
  • 社会情勢リスク:テロ行為、紛争、内乱、経済制裁など
  • 自然災害リスク:地震、台風、洪水など

全世界のカントリーリスクについては、日本貿易保険(NEXI)が「カントリーリスクマップ」を作成しているので、興味がある人はチェックしてみるとよいでしょう。

ただし、このリスクはあくまでも海外取引限定でのリスクであることは頭に入れておいてください。

大きなカントリーリスクはテレビのニュースでも取り上げられるため、近年のロシアによるウクライナ侵攻や、中国の経済破綻などは記憶に新しいのではないでしょうか。

新興国は先進国と比べて特に政治リスクが非常に高いので、政権については調べておく必要があるでしょう。

通貨の価値が大きく変わる

新興国株を購入するうえで注意しなければならないのはその国の情勢だけではありません。

通貨についても注意が必要で、新興国の通貨はその国の情勢だけではなく外部的要因によっても大きく変動します。

先進国である日本円も、短期間で1ドル換算で20円近くも上下しています。

通貨の価値が大きく下がれば、同じ資産を持っていても資産価値そのものは大きく低下するため、せっかく株価そのものは上昇しても通貨が下がれば利益は大きく減少してしまいます。

信託報酬などコストが高い

新興国株は個別株でも購入できますが、投資信託でも新興国企業メインの商品が販売されています。

投資信託は投資の専門家にお金を預けて投資してもらうことで利益を得る投資手法で、投資信託商品を購入することで自動的に分散投資が可能となりますし、業績に応じて投資対象の企業が入れ替わるのもメリットです。

投資信託は投資に時間を割けない人には恩恵が大きいのですが、新興国の投資信託は先進国メインの投資信託に比べると信託報酬が高めに設定されていることが多いです。

新興国は成長性が高く、大きなリターンを期待できますが、信託報酬があまりに高いと利益を圧迫し、リスクを背負うほどの利益が得られない可能性もあります。

投資信託を使って新興国株を購入するならば、信託報酬や手数料などをよく確認しておくようにしましょう。

新興国株による投資を成功させるコツ

新興国株で資産を増やすためには、先進国メインの株式を購入するときとはまったく異なる視点で購入する銘柄を購入する必要があります。

カントリーリスクの有無を調べる

新興国株の購入を検討する際に最優先でチェックしなければならないのは、購入する企業の業績ではなく、購入する企業がある国の情勢です。

どれだけ企業の業績が好調でも国全体の情勢の急変には逆らえません。

例えばその国で内戦などが勃発すれば会社経営どころではないでしょう。

場合によっては会社そのものが破壊され、再起不能で倒産してしまう恐れもあります。

近年ではロシアによるウクライナ侵攻が大きなニュースになりましたが、ウクライナとロシアはずっと緊張状態にあったので、カントリーリスクをしっかりと調べていれば、ウクライナの株式を買うことは割けられるのではないでしょうか。

周辺の国の情勢を把握する

新興国株を購入する際は、その企業がある国だけではなく、周辺の国の情勢も把握しておくようにしましょう。

新興国は政治や経済情勢が不安定なので、周辺国のカントリーリスクにも少なからず影響を受けます。

新興国にはアフリカの国々も多く登録されていますが、アフリカは内戦が多い地域でもあります。

自国が安全でも、周辺国で戦争が勃発した場合、経済的に繋がりが強い国の援助をするため戦争に参加する可能性も否定できません。

戦争に加われば国の情勢は大きく変わります。

ときには敵国の攻撃を受ける可能性もあり、投資していた企業が破壊されることもあるでしょう。

特に被害を受けずとも、戦争に参戦した時点で投資家からは敬遠され、株価は下落する可能性が高いです。

分散投資を心がける

新興国に限ったことではありませんが、価格の上下が激しい新興国株では特に分散投資を意識するようにしましょう。

分散投資をすることで、ひとつの企業の株式が下落してもほかの株式の株価が上昇すればカバーできます。

新興国株で分散投資をする場合は、近い国の企業で分散投資をするのではなく、まったく異なる地域の企業での分散投資をおすすめします。

新興国株に投資するならオンラインスクールでしっかり予習しておこう

新興国は現時点ではアメリカや日本など先進国に比べるとGDPやインフラなどが整備されてはいないものの、将来的に大きな成長が期待できる国で、新興国株は新興国で運営をしている企業の株式です。

新興国株は先進国メインの株と比べると急成長するため、株価が大きく値上がりする可能性があります。

特に短期的に大きなリターンを得たいと考えている短期投資との相性は抜群です。

しかし、大きなリターンが期待できる分、経済や政治、社会情勢などの変化が発生しやすく、それによる株価の下落が発生しやすいといったリスクがあります。

新興国株の投資を成功させるには、購入する銘柄がある国だけではなく、周辺の国の政治・経済情勢をしっかりとチェックしましょう。

新興国株についてもっとよく知りたいならば、オンラインスクールでの勉強をおすすめします。

「熊谷亮のオンラインスクール」では株式投資に関するさまざまな知識を学べますし、実際に株式投資によって大きな利益を確保している熊谷氏からすぐに実践できるとても有益なテクニックを教わることができます。

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