株式投資における複利効果とは?配当再投資で資産を増やす方法
株式投資最大の魅力は、複利によって雪だるま式に資産が増えることだとよく言われます。
あのアインシュタインも「複利は人類最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を支払う。」と語っており、複利効果が凄まじいものであることを語っています。
複利効果を最大限活用することで、定期預金や債券といった株式投資以外の投資手法とは比べ物にならないほど資産を増やすことができるでしょう。
本記事では株式投資者に向けて、複利の基本概念と、複利効果を最大限に活用する方法、そして複利効果を狙った株式投資をすることで発生するリスクを解説します。
複利とは?株式投資における基本概念の解説
複利効果を最大限に活用するためには、まず複利がどのような仕組みで成り立っているのかを理解して置かなければなりません。
複利の基本的な仕組み
複利とは、もともとあった資金(元本)に加えて元本によって得た利子や李益に対しても新しく利子や利益が発生する仕組みを指します。
複利を得るには投資によって得られた収益をそのまま再投資する必要があります。
利子や利息で得たお金を再投資することで再投資した利子や利益にも利息が発生し、元本の利益だけではなく、利子や利息で得たお金による利益分、資産が上乗せされることとなります。
そしてその利子を更に再投資するといった投資を繰り返すことによって、資産が加速度的に増えていくというわけです。
この複利効果は時間をかければかけるほど絶大なものとなります。
短期的に見れば複利効果による資産増加は緩やかですが、長期間に渡って再投資を繰り返すことで元本に対しての利息が雪だるま式に増加します。
すると、最終的には元本の数倍以上の資産形成を実現することが可能となります。
株式投資は基本的に長期投資によって資産を形成しますが、長期投資を推奨しているのは、まさにこの複利効果を利用して資産を増やすことを目的としているからです。
実際に長期投資によって複利効果のみで生活できるだけの資金を安定的に確保可能となり、定年を待たずに退職して自由な時間を謳歌しているといった事例も多く見られます。
複利と単利の違い
利息には複利と単利がありますが、利益の発生する仕組みに大きな違いがあります。
単利では利息は元本にのみ発生し、その後発生した利息部分には新しい利息がつかないため、利益の増加は時間が経過しても一定のペースで進行していくこととなります。
例えば、元本が200万円で、年間の利息が5%の場合、単利では元本分の利息しか出ないので1年後の利息は10万円なので資産合計は210万円、2年目も利息は同じく10万円なので資産合計は320万円となります。
それ以降も毎年10万円の利益は変わらないため、単利による資産運用による5年後の資産合計は250万円です。
一方、複利では元本で得た利益を再投資した場合、再投資した利益にも利息が出るため、長期的に投資すれば年々資産の増加率は上昇していきます。
先程の単利と同じ条件で利益が複利となる場合、最初の年に得られる利息は10万円なので、投資を初めてから1年後の資産合計は単利と同じく210万円です。
しかし2年目は再投資した10万円にも利息が出るので、2年目の資産合計は元本による利息の合計額220万円と、10万円分の5%の利息である5,000円がプラスされ、資産合計は220万5,000円になります。
そして、5年後の資産は約255万5,200円となり、たった5年複利による資産運用をするだけで、単利のときよりも5万円以上も資産が増えていることがわかります。
さらに資産運用を継続すると、10年後には320万円以上、そして20年後にはなんと530万円と、元本の倍以上の資産を形成することができるのです。
配当再投資が株式投資で推奨されている理由
株式投資で複利を利用することによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
長期投資における複利の威力
複利は長期投資をすることによってもっとも効果を発揮します。
株式投資は短期的に見れば価格の上下が激しいものの、世界経済全体は今後も継続して成長する可能性が極めて高いため、短期的な価格変動に惑わされることなく保有し続けていれば、株価は購入したときよりも上昇していきます(業界そのものの業績悪化や倒産などは除く)。
そのため、株式投資で得た利益や利息を現金に変換することなくそのまま再投資をし続けることによって、元本分の利益だけではなく元本によって得た利益分の利息も得られます。
株式投資で成功するには長期投資をするのが最善であると言われている最大の理由は、この複利効果を得るためです。
最初の数年は得られる利益はそれほどでもありませんが、株式投資が順調ならば利益は雪だるま式に増えていき、数十年後には元本の数倍、ときには数十倍もの資産を形成できます。
以上のように、株式投資を長期間継続することで複利の効果を最大限に発揮でき、資産を増やすための強力なツールとなります。
配当再投資による複利効果
複利効果を最大限に活用するならば、配当再投資は必須の手法といっても過言ではありません。
株式投資によって利益を得る方法に企業からの配当金を得る手法があります。
配当金の使い道は自由なので、配当金を現金に換えることもできますが、配当金を現金に変えてしまうと、その時点で配当金による資産増加は望めなくなります。
しかし、配当金を現金に変換することなくそのまま株式投資を継続することで、株式の資産が増えることになり、次の配当金額が増えます。
そして増えた元本によって得た配当金をさらに再投資する、というように配当再投資を繰り返すことで全体の資産は驚異的な勢いで増大し続けていきます。
例えば、配当金が年利5%だった場合、最初の数年間の増加額は微々たるものですが、20年後には元本の倍以上の資産に膨れ上がることになります。
複利効果をさらに加速させるためには、長期的な視点で市場を注視して成長しそうな業種を見極め、集中的に李益を再投資することが重要です。
以上のように、配当再投資は株式によって得た利益をそのまま投資し続けるだけで複利効果を最大限に得られるため、資産形成にとって最も簡単かつ強力な戦略のひとつとなっています。
複利効果を最大限に活用する方法
複利効果を最大限に活用するには、「配当再投資」「チョキ保有」を意識して株式投資を継続することがとても重要となります。
配当再投資の活用
複利効果を最大限に活用するには配当再投資を実践するのがもっともシンプルで効果的です。
株式投資によって資金を集めた企業が成長して利益を得た場合、投資してくれた投資家に対して配当金を支払います。
この配当金が株式投資をすることで得られる利益となるわけですが、配当を現金として受け取るのではなく、そのまま株式へと再投資することによって、株式の保有額が増加します。
株式の保有額が増加すれば、その分得られる配当額も購入した株式に比例して増加していくこととなります。
配当再投資のサイクルを繰り返していくことで複利効果を最大限に活用できるでしょう。
たとえば、配当利回り5%の株式を100万円分保有していれば1年後の総資産は105万円になります。
しかし2年後は元本分の110万円に加えて、1年目の利息で得た5万円による利息も資産に追加されるため、合計資産は110万2,500円です。
翌年は10万2,500円分の利息が元本100万円の利息にプラスされます。
ほとんどの証券会社では基本的に自動的に配当金を再投資するシステムが確立されているので、投資家はなにもせずに株を保有し続けるだけで長期的な資産形成を進めることができます。
長期保有の重要性
配当再投資をするためには、株式を持ち続けなければなりません。
そういう意味でも長期保有は、配当再投資以上に株式投資による複利効果を得るために重要な要素といえるでしょう。
株式投資には、株価の変動による利益を狙った投資手法もありますが、複利効果を得る投資手法では短期的な株価の変動に振り回されないようにしなければなりません。
短期的には株価が下落していたとしても、冷静に原因を探って下落した原因が一次的なものであると判断した場合は、そのまま株式を持ち続けましょう。
経済は全体的に成長していくことが予測されているので、長期的に保有しつづけることで下落した株価は元に戻り、さらに上昇していきます。
株価が上昇すれば配当金による利益がどんどん増えていき、その利益が複利によってさらなる利益を生み出して資産の増加スピードは加速度的に早まります。
長期保有をすることによるメリットは複利効果を最大限に活かせることだけではありません。
株式は売買するたびに手数料が発生するため、株価の上昇による利益を狙った株式投資では手数料が利益をかなり圧迫することになります。
しかし長期投資の場合は売り買いをほとんどしないため、手数料を最小限に抑えられます。
複利投資でよくある失敗と注意点
複利投資は資産形成をするうえで非常に強力なツールとはなるものの、失敗することもあります。
複利投資をする際のリスクについても、しっかりと理解しておくようにしましょう。
短期売買で複利効果が得られない理由
複利効果を得たいならば、短期投資は不向きです。
複利効果を得るには、利息を増やしていかなけばなりませんが、短期投資の場合は短期間で株式を何度も売買するため、利息による複利の効果をほとんど得られません。
そもそも、株式投資を用いての短期投資の場合、購入した銘柄の株価が上昇したときに売却し、購入時と売却時の差額による利益を狙う投資手法です。
株価が上昇したときは基本的にその銘柄を保有することなく、すべて売却します。
したがって、株式による配当金ではほとんど利益を得ることができません。
配当金の利益によって資産を増やす長期投資とは、利益の取得方法が根本的に違っていることが、短期投資で複利効果が得られない最大の理由です。
短期投資も資産を一気に増大させる投資手法ではあるものの、短期的な価格変動を予想するのは非常に難しく、短期売買による資産増加はハイリスクな戦略といえます。
津市の経験があまりない人で、資産を増やしたいのであれば、複利効果を最大限活かせる長期投資が適しています。
複利投資を行う際に注意すべきリスク
複利効果を狙う株式投資をすれば絶対に成功するとは限りません。複利効果を狙う株式投資にもリスクはあります。
市場の下落リスク
株式市場全体で見れば長期的には上昇していくとされていますが、短期的には下落するときもあります。
特に市場全体が影響を受けるほどの事象が発生し、全面安となった場合は数年間保有し続けた複利の利益が一瞬でゼロになってしまいます。
直近でもリーマン・ショックや新型コロナウィルスによる経済の冷え込みの影響で、ほぼすべての銘柄で株価が急落し、資産を大きく損失したことを嘆く声が相次ぎました。
リーマンショックやコロナウィルスによる下落も、時間をかければ元に戻りますが、複利効果を狙った投資をする際は、短期的な株価の変動に耐えうる精神的な余裕を保つことが重要です。
過度なレバレッジの使用
株式投資における、資産を増大させる手法として「レバレッジ」があります。
レバレッジは証券会社からお金または株式を借り入れて投資をすることで、自己資金以上の利益を得られますが、レバレッジは非常に大きなリスクを伴う手法であることは頭に入れておかなければなりません。
レバレッジは大きく資産を増やせますが、投資をするお金は借りたお金であり、借りたお金は利子を含めて返さなければなりません。
株価が上昇すればよいですが、予想に反して株価が下落してしまえば自己資金以上の損失を被る恐れがあります。
基本的にレバレッジは短期的な利益を得るための手法なので、複利効果による資産形成を計画しているならば、レバレッジは極力使わないのが無難です。
インフレによる実質リターンの低下
長期的な資産形成を計画するうえで考慮しなければならないのがインフレによる影響です。
インフレ率が高まってしまうと、資産の金額そのものは増えていたとしても、実質的な価値は減少します。
例えばインフレ率が5%で、配当利回りが年3%だった場合、数字で見れば資産は増えているものの、インフレ率と比較すれば数字ほど資産が増えていかないことになります。
そして、インフレ率が高まると保有している銘柄の業績そのものの悪化も懸念されます。
物価が上昇すると消費者側は買い控えの意識が強まり、購買力は低下するため企業の売上げが低下してしまう可能性があります。
インフレが進行しているときは企業の現状をしっかり把握しておかなければなりません。
配当の減少や停止リスク
複利による資産形成を計画するうえで、もっとも注意しなければならないのが、配当利率の減少または停止してしまうリスクです。
配当金は企業が利益を得ること前提で支払われているので、売上が低下してしまうと配当利率が下がったり、場合によっては配当金そのものが支払われない恐れがあります。
配当金が支払われないと、複利の元となる利益そのものが得られないので、資産形成に大きな悪影響を及ぼすことでしょう。
全体的な配当の減少を防ぐためには、ひとつの銘柄に集中投資するのではなく、複数の資産に分散投資をするのが有効な手段となります。
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株式投資において複利による効果は凄まじく、長期的に株を保有し続けて配当投資を継続させることで元本の数倍、時には数十倍もの資産を形成できます。
しかし複利投資をすることで発生するリスクもあるので、複利効果を最大限に得るには株式投資についてしっかり学ぶ必要があるでしょう。
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