銀行で新NISAの口座を開設するのは辞めたほうがよい!その理由とは?
これまでNISAと呼ばれている制度が新NISAとなり、さまざまなメディアで取り上げられていることを受けて、「そろそろNISAを始めてみようかな」と考えている人も多いのではないでしょうか。
新NISAを始めるにあたっては金融機関を利用することになりますが、銀行を利用するのはあまりおすすめしません。
本記事では新NISAを始めるのに銀行を利用することをおすすめしない理由について解説します。
新NISAを始めるには新たに口座を開く必要あり
新NISAを始める際には、新NISA専用の口座を開設しなければなりません。新NISAはさまざまな金融期間で取り扱っているので、まずはどの金融機関で新NISAの口座を開設するかを決める必要があります。
金融機関は一度開設すれば二度と変えられないというわけではありませんが、変更する際の手続きが少し面倒です。
したがって、最初から変更しないつもりで金融機関を探しておいたほうがよいでしょう。
新NISA口座開設前に知っておきたい基本事項3つ
新NISAの口座を開設するにあたって、知っておいてほしい基本事項が3つあります。
まずは基本事項3つについて確認しておきましょう。
1人1口座
新NISAの口座はひとり1つしか所有できません。
新NISAにはさまざまな株式を購入できる「成長投資枠」と投資信託商品に限定されている「積み立て投資枠」と、ふたつの枠に分けられていますが(成長投資枠分を積み立て投資枠として利用することも可能)、成長投資枠と積み立て投資枠は一つの新NISAで管理します。
新NISA口座は一般的な株式投資をする口座などとは別物で、すでに株式投資の王座を所有している人も、新NISAを始めるのであれば新たに新NISAの口座を開設しなければなりません。
旧NISA口座を持っている人は同じ口座で自動的に開設済み
新NISAは2024年から新たにスタートした制度ではありません。
新NISAが始まる前からNISAという制度は存在していました。
NISAの口座をすでに所有している人は、新NISA開始と同時に同じ金融機関で新NISAの口座が開設されているはずです。
したがって、新たに新NISAの口座を開設する手続きをせずともすぐに新NISAを始められます。
年単位で金融機関を変更可能
新NISAの口座は年単位で金融機関を変えられますが、金融機関の変更は簡単に済ませられるわけではありません。
口座の返納をする際はまず、すでに口座を開設している金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を交付してもらわなければなりません。
そして新たに口座を開設する予定の金融機関にこの書類を口座開設に必要な書類などと併せて提出する必要があります。
そしていつでも新しい口座を開設できるわけではなく、変更した年の前の年の10月から、口座を変更したい年の9月いっぱいまでと定められているので注意しなければなりません。
そして、新NISAでは買付ができるのは1年に1口座のみとなっているため、実質口座を変更できるのは1年に1回だけです。
新NISAの口座を開設する金融機関は大きく分けて3種類
新NISAの講座を開設可能な金融機関は大きく「ネット証券」「店舗型証券会社」「銀行」の3種類です。
それぞれ特徴は違いますが、結論から言えばよほどの理由が愛限りは「ネット証券」で新NISAの口座を開設することをおすすめします。
ネット証券は新NISAで購入できる商品が豊富ですし、口座開設はネット上で完結するうえに手数料も割安とよいことづくめです。
新NISAの口座は銀行で開設しないほうがよい理由
なぜ銀行で新NISAの講座を開設しないほうがよいのか、その理由を3つ紹介します。
取引銘柄が限定的
銀行で新NISAの口座を開設することをおすすめしない最大の理由は、新NISAで取引できる商品は約280種類(2024年7月時点)あるのですが、銀行で取り扱っている新NISA商品の数はもっとも多い三菱UFJ銀行でもたった24種類しかありません。
主要銀行の2024年1月時点の新NISA取り扱い商品の種類は以下の通りです。
- 三菱UFJ銀行…24種類
- みずほ銀行…14種類
- 三井住友銀行…4種類
- りそな銀行…13種類
一方、ネット証券で取り扱っている新NISA取扱商品の種類は以下のようになっています。
- SBI証券…218種類
- 楽天証券…213種類
- マネックス証券…217種類
- 松井証券…221種類
銀行と比べるとネット証券で取り扱っている商品の種類がいかに多いかが分かるのではないでしょうか。
成長投資枠で株式を購入できない
新NISAは「積み立て投資枠」と「成長投資枠」に分けられており、積み立て投資枠では投資信託商品しか購入できませんが、成長投資枠では国内外の上場株式や不動産投資信託など、さまざまな商品を購入できます。
ところが、銀行で新NISA口座を開設してしまうと、成長投資枠でも投資信託商品しか購入できません。
株式商品は投資信託と比べるとリスクは高いですが、先読みが間違っていなければ投資信託ではとうてい得られないような利益を短期間で得られます。
積極的に資産運用したい人にとっては、投資信託商品しか購入できない銀行はデメリットが大きい金融機関であるといえます。
販売手数料が割高
銀行で新NISAを開設することをおすすめしない理由として、投資信託を購入した際に支払う販売手数料が店舗型証券会社やネット証券と比べると高額であることが挙げられます。
投資信託には「S&P500」や「オールカントリー」といった名称の商品が販売されていますが、この商品はネット証券でも店舗型証券会社でも銀行でも購入できます。
しかし同じ商品でも購入したときの手数料に大きな差があり、銀行では販売手数料が平均2%近くかかるのに対し、ネット証券では販売手数料は一切かかりません。
販売手数料だけを比較するだけでも、銀行はネット証券と比べると劣っていると言わざるを得ません。
銀行で新NISA口座を開設するメリット
銀行で新NISAを開設することをおすすめしない理由について3つ紹介しましたが、決して絶対に銀行で新NISAの口座を開設してはいけないといっているわけではありません。
銀行で新NISAを開設するメリットもいくつかあります。
銀行は投資だけではなく、普段生活するうえで必要不可欠な場所であり、気軽に立ち寄りやすいです。
気軽に立ち寄りやすい場所で、新NISAについて対面で相談できるのは、銀行にしかないメリットといえるでしょう。
また、新NISAを始めるには新しく口座を開設しなければなりませんが、すでに講座を開設している銀行であれば、簡単に口座を開設できます。
銀行で新NISAの口座を開設しても問題ない人とは?
新NISAの口座を銀行で開設しても問題ない人とは以下の条件のいずれかに当てはまる人です。
- 銀行で取引している商品で十分な人
- 新NISAの口座を開設するために金融機関を増やすのが嫌な人
- わからないことを対面で相談しないこと
- 口座を開設することで住宅ローンの優遇金利を受けられる人
新NISAは比較的コストが少ないとはいえ、投資なのでリスクがあるというのは紛れもない事実です。
新NISAはやってみたいが不安が拭えないというのであれば、銀行で口座を作って気になることがあればすぐに相談できる状態にしておくのは間違いではありません。
ただし、窓口がある分、その人件費などは販売手数料などに上乗せされていることは頭に入れておいてください。
また、住宅ローンを組む際に、新NISA口座を開設すると金利を優遇してくれる銀行もあります。
住宅ローンは長期的に返済するので、たった1%の下がるだけでも返済額が100万円単位で減らせるので、銀行で新NISAを開設する価値は十分あります。
まとめ
新NISAを開設できる金融機関は、ネット証券・店舗型証券会社・銀行と3つの金融機関があります。
このうち、銀行は新NISAを開設する場所としてはあまりおすすめできません。
銀行で新NISAを開設すると、成長投資枠で購入できる上場株式などが一切購入できないうえに、販売手数料がネット証券などと比べるとかなり高額です。
ただし、気軽に新NISAの相談をしたい人や新しく金融機関で口座を作りたくない人などは銀行で口座を開設しても問題ないでしょう。