【初心者向け】株式投資のおすすめ勉強方法|学ぶべき3つのポイントと注意点を解説
「株式投資に興味はあるものの、お金を失いそうで怖い」というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。
このようなイメージを持っている人は、株式投資を「よく分からないもの」と認識しています。しかし、しっかり勉強すれば怖いというイメージはほとんど無くなるでしょう。
株式投資に興味を持ち始めた人向けに、本記事では株式投資初心者におすすめの勉強法を紹介します。
勉強しないまま株式投資するとどうなる?
「定年まで働けば老後は安泰だ」という楽観的な考えを持っている人はほとんど居なくなりました。
何らかの形で老後のお金は自分たちで確保しなければならないと危機感を抱いており、新NISAをはじめとした投資に興味を持つ人や、実際に投資を始める人がとても増えてきています。
ところが中には仕組みを全然理解しないまま、「投資をすれば資産を増やせる」という安易な考えで株式投資などに手を出す人が一定数存在します。しかし、何の知識もないまま株式投資をするのは非常に危険です。
株式投資の基礎を理解していないと、的確な投資ができません。
基礎を知らないまま株式投資を始めてしまうと、以下のような失敗をする恐れがあります。
①外部の情報を信用して、価値のない株を買って大損する
②買い時や売り時を見逃してチャンスを失う
③リスクが高い商品であることを理解しないまま大金を投じてしまう
④投資詐欺に騙されてお金を失う
これらはほんの一例で、その他にもさまざまな要因で大切な財産を失う可能性があります。
株式投資は決して怖いものではありませんが、何の知識もないまま始められるものではないことは覚えておいてください。
株式投資で事前に勉強すべきポイント
株式投資を学ぶ際には、以下のポイントを意識して勉強をするようにしましょう。
①株式の仕組み
②市場分析の方法
③リスク管理の方法
株式の仕組みを学ぶ
株式は、企業が資金調達を行うために発行する証券であり、株主にその企業の所有権の一部を提供します。
株式を購入することにより、投資家はその企業の部分的な所有者となり、企業の利益の一部を受け取る権利を得ます。この仕組みには以下の重要な要素があります。
株式の発行
企業が新たに資金を調達するために株式を発行します。この株式は証券取引所を通じて投資家に販売されます。初めて発行される株式は「新規公開株(IPO)」と呼ばれます。
株主の権利
株主は企業のオーナーとして、いくつかの権利を持っています。代表的な権利には、配当を受け取る権利、株主総会で議決権を行使する権利、企業の残余財産の分配を受ける権利などがあります。
株価
株価は市場での株式の価格を示します。株価は企業の業績、経済の状況、投資家の期待や心理、供給と需要などさまざまな要因によって変動します。株価が上昇することで、投資家はキャピタルゲイン(資本利得)を得ることができます。
配当
企業が利益を上げた場合、その利益の一部を株主に配当として支払うことがあります。配当は現金で支払われることが一般的ですが、追加の株式で支払われることもあります。
株式市場
株式は証券取引所で売買されます。証券取引所は、株式の公正な取引を確保し、投資家が適正な価格で売買できるようにする場です。代表的な証券取引所には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)や東京証券取引所(TSE)があります。
リスクとリターン
株式投資にはリスクとリターンが伴います。株価の変動によるキャピタルゲインや配当を通じてリターンを得ることができますが、企業の業績悪化や市場の不安定性により損失を被るリスクもあります。
市場分析の方法を学ぶ
株式市場の動向を把握するためには、テクニカル分析とファンダメンタル分析の両方を学ぶ必要があります。
テクニカル分析では、チャートの読み方やトレンドの判断方法を学び、ファンダメンタル分析では、企業の財務状況や業績指標(例:PER、PBR、ROEなど)を理解することが重要です。
リスク管理の方法を学ぶ
資産管理
投資資金の一部をリスクの低い資産に配分することで、総リスクを抑えることができます。また、投資額を一定の割合(例:ポートフォリオの10%)に制限し、一度に大きな損失を被らないようにすることも重要です。
損切りラインの設定
株式投資初心者におすすめの勉強法:5選
株式投資初心者が勉強するための手段は大きく分けて5つあります。
それぞれ異なる特徴があるため、可能であれば複数の勉強法を組み合わせることをおすすめします。
①書籍
②セミナー
③ウェブサイト
④YouTube
⑤SNS
書籍
株式投資初心者向けの勉強法の定番中の定番が、販売されている株式投資関連の書籍の熟読です。
販売されている本の中には投資の熟練者向けのものもあるので、必ず初心者向けなどと書かれているものを選ぶようにしてください。
書籍は著者が長い時間をかけて得たノウハウをたった数時間で得られるため、非常にコストパフォーマンスが高いです。書籍は最初から順番に読まなければならないという固定概念を持っている人も多いですが、株式投資の本にストーリー性はないので、知りたいことや気になる項目から読み進めていっても問題ありません。
書籍は購入した時点では新しい情報でも、月日が経過すると古い情報になってしまうのがデメリットです。
株式投資の基礎については昔から変わらないので、初心者向けの本は昔に出版された中古の書籍でも問題ありません。
また、ウェブ書籍を利用すれば保管場所を確保する必要がなくなります。
おすすめの書籍:あなたの人生を劇的に変える株の本 株ドカン / 熊谷 亮
Yahoo!ファイナンス投資の達人「2年(2012年・2013年)連続年間MVP」を受賞した熊谷亮が、株の基本から実践的なテクニックまでを解説しています。
短期的に勝てる株の見つけ方をチャートを用いて解説しているだけでなく、いつ買うべきか・いついくらで売るべきかといった売買戦略まで解説。初心者から中級者に向けた内容となっており、これから株を始めたいという方におすすめの本です。
セミナー
セミナーも昔からよく用いられてきた勉強法です。
インターネットが普及していなかった時代は、株式投資の勉強法は書籍とセミナーが大部分でした。
セミナーは証券会社やファイナンシャルプランナー、金融機関などが実施していることが多く、ネットで検索すると日本全国さまざまな所で投資家向けのセミナーを実施していることが分かります。
セミナーは実際に会場に足を運ぶ必要があるものと、オンライン環境があればどこでも受講できるものとがあり、コロナ禍以降はオンラインセミナーの比率が増えてきています。
実際に会場に足を運ぶセミナーは、講師に直接質問できますし、一緒に受講した人と意気投合すれば投資仲間になることができます。
オンラインセミナーは時間さえ守れば場所を問わずに受講できるのが最大のメリットです。
セミナーは専門家の話を直接聞ける貴重な機会ではありますがその内容は多種多様です。
教えてもらえることはごくわずかで、証券会社が販売している株券の販促がメインのセミナーもありますし、酷いものだと詐欺同然の勧誘をしてくる所もあります。
セミナーに参加する際は講師の経歴について必ず調べるようにし、授業を受けながらセミナー名と受講内容が合致しているかも確認しましょう。そしてセミナー中に勧誘されたものに関しては、その場で契約しないようにするのが無難です。
ウェブサイト
本サイトのように、株式投資をはじめとした投資全般に関する情報をまとめたウェブサイトでも基礎の勉強ができます。
ウェブサイトはインターネットが繋がる環境さえあれば、書籍のようにお金を払う必要がありません。
またウェブサイトは簡単に更新できるので常に最新の情報を入手できるのはとても大きなメリットです。
ただしウェブサイトに掲載されている情報に関しては情報元を確認しなければなりません。中には、投資の知識がまったくない人が適当な内容の記事を掲載している時もあります。
ひとつの情報で納得せずに、同じ内容の記事を書いている別サイトも必ずチェックしてください。
複数のサイトを確認することで正確な内容であるかを判別できます。
YouTube
株式投資を学ぶツールとして、現在もっとも多くの人が活用しているのがYouTubeです。
動画の内容によってはオンラインセミナーに匹敵するほどの有益な情報を無料で視聴できます。
動画なので、目からだけではなく、耳からも情報が入ってくるので内容を直感的に理解しやすいのも大きなメリットと言えるでしょう。
しかしYouTubeはウェブサイト以上に収益性が高いためか、配信者によっては視聴数を稼いだり有料チャンネルに誘導することを優先している場合があります。
過激なタイトルだったり、聞いたこともない銘柄を薦めるような動画は利益優先で、デタラメな内容になっている可能性が高いです。
動画を配信しているのは誰か、どのような経歴か、過去動画の内容は有益なものがなどを確認したうえで、視聴するか判断しましょう。
SNS
X(旧Twitter)やInstagram、TikTokで株式投資の情報を発信する人も増えてきています。
ひとつの投稿に多くの情報を発信するには不向きですが、SNSはこれまでの手段と比較すると利用者が圧倒的に多いのが特徴で、多くの人に見てもらえるチャンスがあります。
投稿が注目されてインフルエンサーになると影響力は凄まじいものとなり、巨額の収入を得ている人も多いです。
SNSの情報は気楽に閲覧できるのがメリットですが、情報を得て拡散してもらうことだけを優先しているものは中身がまったく伴っていません。したがって何の役にも立たないものも多数投稿されているのが現状です。
メインで勉強する場合はSNS以外のツールを利用し、SNSは補足的な情報を得る手段と割り切って使いましょう。
プロの投資家が実践する高度なテクニック
アクティブ投資とパッシブ投資
アクティブ投資は、市場の平均を上回るリターンを狙って積極的に売買を行う投資方法です。
これには、個別銘柄の選定や市場タイミングの分析が含まれ、投資家のスキルや経験が求められます。
一方、パッシブ投資は、市場全体のパフォーマンスを追求するインデックス投資のような方法で、低コストで安定したリターンを目指すことができます。
プロの投資家は、アクティブ投資とパッシブ投資を組み合わせてリスクとリターンのバランスを取ることが多いです。
例えば、成長性の高い銘柄にアクティブに投資しつつ、市場全体に分散することで、安定したリターンを確保しつつ高いリターンも狙うことができます。
ヘッジファンドの戦略
ヘッジファンドは、一般的な投資信託とは異なり、さまざまな投資戦略を駆使して高いリターンを追求する投資ファンドです。
例えば、ロング・ショート戦略では、割安と判断した株式を買い、割高と判断した株式を空売りすることで、市場全体の動向に関係なくリターンを狙います。
また、グローバルマクロ戦略では、金利、通貨、コモディティなど多様な資産クラスに投資し、世界の経済状況を基に投資判断を行います。
プロの投資家は、ヘッジファンドのような複雑な戦略を活用し、高度なリスク管理を行いながらリターンを追求します。
高頻度取引の概要
高頻度取引(HFT)は、超高速の取引システムを利用して、極めて短時間で大量の売買を行う戦略です。
HFTの主な目的は、市場の小さな価格差を利用して利益を上げることであり、数秒から数ミリ秒単位での取引が行われます。
HFTは、アルゴリズム取引や機械学習を駆使して市場の動きを予測し、即座に取引を行うため、非常に高い技術力とインフラが必要です。
プロの投資家や大手金融機関は、HFTを活用して市場の流動性を提供しつつ、高頻度で取引を行うことで安定したリターンを追求しています。
株式投資の勉強に関するよくある質問
Q1. 株式投資を始めるにはどれくらいの資金が必要ですか?
A. 株式投資を始めるための最低資金は証券会社によって異なりますが、一般的には数万円から始めることができます。初心者は、まずは少額から始めて徐々に投資額を増やしていくのがおすすめです。
Q2. 株式投資で成功するためのポイントは何ですか?
A. 株式投資で成功するためには、情報収集と分析が不可欠です。企業の業績や市場の動向を常にチェックし、リスク管理を徹底することが重要です。また、長期的な視点を持ち、感情に左右されない冷静な判断が求められます。
Q3. 株式投資のリスクを減らす方法はありますか?
A. 株式投資のリスクを減らす方法として、分散投資が有効です。複数の銘柄や業種、地域に分散して投資することで、特定のリスクを軽減することができます。また、リスクを抑えるためには、継続的な情報収集とリスク管理が重要です。
まとめ
株式投資は世間一般的に怖いというイメージがありますが、多くの人が実践している投資方法であり、基礎知識さえ身に着けておけば怖いものではありません。
ただし、なんの知識もないまま株式投資に手を出すと資産を大きく減らしてしまう恐れがあるのもまた事実です。
株式投資を初心者が勉強する方法には大きく以下の5種類があります。
- 書籍
- セミナー
- ウェブサイト
- YouTube
- SNS
それぞれメリットとデメリットがあるので、ひとつの方法だけを利用するよりも、状況に応じて複数の勉強方法を組み合わせるとよいでしょう。
ただし、書籍以外の勉強方法については、宣伝や視聴者数稼ぎを重要視していて内容が伴っていないものも多いので、投稿者がどのような経歴を持つ人物か、過去の記事は有益な内容になっているかを確認したうえで利用を検討してください。