新NISAで注目のインド株とは?その魅力や注意点を徹底解説!
2024年から新NISAがスタートし、1,800万円までなら非課税である点や、これからは投資で資産を積極的に増やさなければならない時代に突入したことを実感する人が増えたこともあって、投資が非常に注目されるようになりました。
そんななか、近年特にインドへの投資に注目が集まっています。
なぜインドへの投資に注目が集まっているのか、そしてインドへ投資する際の注意点について本記事では解説します。
新NISAスタート直後に多額の資金がインド株に流入
新NISAがスタートする前などは、「S&P500」「オールカントリー」など、米国株や先進国メインの投資信託が初心者に推奨されており、実際新NISAがスタートしていこう現在も多くの投資家がこの2銘柄を購入しています。
その裏で、経済の動向に敏感な人や投資歴が長い人はインド株に早くから注目、新NISAがスタートした24年1月だけで約1,500億円の資金がインド株をメインとした投資信託に流入しました。
2月には三菱UFJアセットマネジメントがインド株が、3月には大和アセットマネジメントが相次いでインド株メインのインデックス投資信託を設定しており、今後更に増えていくと予想されます。
インドが大きく躍進した理由
インド株が注目されている最大の理由は、インド事態が急成長を遂げているからにほかなりません。
かなり前から、中国の次に急成長するのはインドだと言われてきましたが、近年は凄まじい成長を遂げており、2,027年には国内総生産で日本を抜いて世界3位になるとも予測されています。
インドが大きく躍進したのにはいくつかの理由があります。
その理由を知っておくと、インド株を売買する際に大いに役立つことでしょう。
人口が増え続けている
インドが大躍進をした最大の理由は、人口が増え続けているためです。
インドの人口が中国を抜き、世界1位になったことは多くの人が知っていることでしょう。
中国は一人っ子政策などの弊害によって人口が減りはじめ、今後増える見通しはありません。
一方インドはまだまだ増え続けることが確実視されています。
インドは人口が多いだけではなく、働く人たち、いわゆる生産年齢人口(14歳〜64歳)が非常に多い国でもあります。
インドではこの生産年齢人口が約14億人のうち3分の2にあたる9億人以上を占めています。
人口の中心が何歳になるかを示す中位年齢でもインドは28歳と非常に若いです。
ちなみに日本は48歳なので、インドの刃皇全体における若年層の比率の高さがこの数値からも伺えます。
このまま人口動態に大きな変化がなければ、インドは2060年ごろまで人口が増え続けていると言われています。
人口が増えれば、モノを作る能力もモノを消費する量もどんどん増えるため経済は活性化します。
インドが成長しているのはある意味必然なのです。
経済政策を変化させた効果が出てきた
インドが大きく躍進した要因の一つが経済政策の変化です。
インドはこれまで自分の国は自分で全部やるといった、過去の日本における鎖国政策のような政治をしていました。
しかしその結果外貨が不足し、国際通貨基金からお金を借りる必要が出てくるほど経済状況が苦しくなったのです。
そこで1991年に経済や貿易を自由化し、外に開かれた経済を実施するようになりました。
その結果、海外から企業や投資家が続々と資金を集めることに成功し、その成果が徐々に出てきた結果、経済が急成長を遂げました。
IT大国の地位を確立したため
そして、インドの強みが現在の経済の主流と上手くマッチングしたのもインドが急成長している要因のひとつとなっていることは間違いありません。
インドにある有名な大学のひとつに「インド工科大学」があります。
インド工科大学は初代首相ネルー氏が1951年に「頭脳立国」を目標にして設立されました。
インドでは日常的に数学に触れる機会が多く、数学が好きな子が多いこと、そして英語が準公用語であることも功を奏して、現在経済の主流のひとつであるIT業界で活躍する人材を多く輩出しました。
もうひとつ、インド独自の制度であるカースト制度もIT業界で活躍する人材を多く輩出できた大きな要因となっています。
カースト制度では生まれた時の名字で職業がある程度決まってしまうのですが、IT技術者にはカースト制度は適用されないため、どんな身分の人でも目指すことができます。
IT技術者は高収入なので、地位が低い人達が必死に勉強した結果、優秀な人材が多く生まれたのです。
インド株に投資するメリットとは
インド株に投資する最大のメリットは今後も大きな成長が期待できる点でしょう。
人口が今後40年近く増加することは確実で経済発展する要素が高い上に、最先端であるIT分野に強い人材を生み出しやすい土壌ができているインドは今後も経済的に成長する可能性は非常に高いです。
インドの世界的地位はさらに強いものとなり、インド株に資金が集まって値上がりすることはほぼ確実と見てよいでしょう。
また、インド株に投資することで分散投資になるというメリットもあります。
新NISAを始めた人たちの投資先はS&P500をはじめとした米国株の投資信託と、オールカントリーのような先進国の株中心の投資信託が多いです。
これらだけを保有していても十分分散投資効果はありますが、更にインド株を持っておK場分散投資効果はより大きくなります。
インド株に投資する際の注意点
以上のように今後も経済成長する要素が非常に多いインド企業を中心とするインド株を保有しておくことは大きなリターンを得られる可能性が高いですが、注意点がないわけではありません。
メリットと合わせて投資する際の注意点も把握しておくようにしましょう。
インド経済の成長が鈍化している
インド経済が成長しているのは紛れもない事実ですが、実は成長率はかなり前から鈍化していると言われています。
鈍化している大きな要因は、インドの人口増加に見合った雇用が生み出せていないためです。
インドは長らく鎖国のような政策を続けていたことで海外企業が参入しづらいシステムになってしまっています。
更にカースト制度が足枷となり、既存の企業に就職できる人数に制限がかかってしまうことも雇用がなかなか増えない理由のひとつです。
インド株に集中投資するのは危険
インド株が好調な伸びを見せているのは実績を見ても明らかですが、だからといってインド株のみを保有するのは危険です。
投資は分散投資が鉄則で、集中投資すると暴落に対処できなくなります。
インドが世界に与える影響力は大きくなってはいるものの、まだ先進国のような安定感はありません。
特に先ほど触れた雇用をなかなか生み出せない国のシステムは根強い問題であり、今以上に成長が鈍化すると、インド株は一気に売られる危険性を秘めています。
インド株はあくまでも分散投資のひとつといった認識で保有しておき、経済動向には注目しておくようにしましょう。
まとめ
新NISAがスタートし、経済に詳しい個人投資家から注目されているのがインド株です。
インドは以下の理由から今後も大きく成長する国のひとつとされており、株価が上昇する可能性は極めて高いといわれています。
- ・人口が増加し続けている
- ・労働人口が非常に多い
- ・経済政策転換の効果が出始めている
- ・IT分野に強い人材が生まれやすい
ただし、インドの成長は雇用が生み出せない国のシステムが足枷となっているためすでに鈍化しているといわれています。
したがって、その動向には常に注意しておかなければなりません。
インド株に集中投資するのは危険なので、あくまでも分散投資のひとつとして保有しておくことをおすすめします。