日本株が史上最高値を更新した理由と今後について分かりやすく解説!

 

 

日本株価がここ数年、非常に高い価格を維持し続けており、最高値を更新しつづけていることは、多くの人がニュースで知っていることでしょう。

 

カウを保有している人にとって、株価がどんどん上昇していることは嬉しい限りですが、なぜ上昇したのか気になる人もいるのではないでしょうか。

 

本記事では、日本株がなぜ急騰したのかを解説します。

 

目次

2024年7月11日史上最高額を更新

 

 

2024年2月22日、日経平均株価は1989年に記録した史上最高値である38,915円を約30年ぶりに更新しました。その後も株価は落ちないまま上昇を続け、2024年7月10日には41,831円となりました。

 

翌日は更に300円以上値上がりし、42,224円まで上昇しています。

 

一部の専門家からは2月に最高値を更新した時点で間もなく株価は値下がりするという憶測もでていましたが、現状はずっと高値を維持し続けています。

 

日本株が高値を維持し続けている理由

 

 

2024年現在もずっと高値を維持し続けている理由についてはさまざまな意見が出ていますが、ここでは多くの市場関係者が提唱している6つの理由を紹介します。

 

日本企業の業績が回復している

 

 

日本企業の業績が以前と比べて回復基調にあることが、日本株が高値を維持し続けている最大の理由です。

 

コロナ禍によって多くの企業が深刻な打撃を受けました。

 

特に飲食業界・観光業界のダメージは深刻で、観光業界は数カ月間ほぼ収入がないといった時期もあるほどでした。

 

しかしコロナ禍が明けると海外との貿易も以前のように活発となっただけではなく、インバウンド需要もコロナ禍前を超えるほどであり、観光業界や外食業界も業績は好調です。

 

また、世界情勢による原材料高騰によってほとんどの企業が商品の価格を上げた結果、純粋に売上額が過去最高を更新するケースが増えたことも、業績回復の大きな要因となっていることは間違いありません。

 

アメリカ経済が好調

 

 

アメリカ経済が好調であることも、日本株を押し上げる大きな要因の一つです。

 

日本株と同様に、アメリカのニューヨーク市場でも、ダウ平均株価が史上最高額を更新し続けました。

 

ナスダック市場でも、上場している半導体株やIT企業株といった今後の経済を大きく牽引するであろう業界の業績に期待を寄せる投資家が多く、関連株が積極的に買われています。

 

日本はアメリカとの貿易が非常に盛んであるため、アメリカの株価が上昇すると、それと連動して日本株もどんどん上昇する場合がほとんどです。

 

急速な円安

 

 

近年の急速な円安も日本株急上昇の大きな要因になっています。

 

2023年末ごろは1ドル141円台でしたが、その後たった2ヶ月で10円以上も円安が進行しました。

 

2024年4月現在では更に10円近く円安に触れて1ドル160円台を推移しているといった状況です。

 

円安になると輸出をメインとしている企業には有利に働きます。

 

日本企業は愛料を輸入して加工し、海外に輸出することで利益を得る企業が多いため、企業側にとっては円安は有利であり、多くの日本株の株価が上昇することとなりました。

 

海外の投資家が日本株を積極的に購入

 

 

日本株が急騰しているのは日本株がたくさん買われているからですが、日本株を積極的に買っているのは日本人ではなく外国人です。

 

ここ数年、急速な円安に進んでいることは先に触れた通りですが、円安の影響で日本株は会社の経営状態や経歴に比べてかなり割安な状況になっています。

 

高値で推移している米ドルやユーロの株を買うよりは日本株を買ったほうが利益が出ると多くの投資家が判断したため、日本株が買われるようになりました。

 

もちろん日本企業の業績が回復していることも後押しになっていることは間違いありません。

 

中国経済の低迷

 

 

中国経済の低迷も、日本株を大きく押し上げる理由のひとつとなっています。

 

コロナ禍前まで中国は凄まじい成長を遂げ、日本を抜いて世界第2位の経済大国となりました。

 

ところが、コロナ禍に強行した「ゼロコロナ政策」が中国経済に深刻なダメージを与え、コロナ禍が終わっても経済が回復しませんでした。

 

更にこれまで好調だった不動産が売れなくなって価格が大幅に下落、日本が過去に経験したバブル崩壊のような状態になっています。

 

「中国経済はしばらく低迷を続けるだろう」というのが投資家の見解で、中国株を売り、経済が回復している日本株を買うという流れが生まれ、株価は上昇し続けているのです。

 

新NISAによる個人投資家の増加

 

インデックス投資

 

新NISAが始まり、日本も積極的な投資を検討すべき時代に入りました。実際に新NISAスタート直後は日本国内の個人投資家の人数は一気に増加しています。

 

これまで現金として保管していたお金が投資として使われるようになったのも、日本の株価が上昇した要因のひとつであることは間違いないでしょう。ただし、実際は国内の企業よりも海外の企業に投資されているのが現状です。

 

正確な数字が出ているわけではありませんが、新NISAによって数円程度円安が進行していると言われています。

 

バブル期に日本株の株価が上がった理由

 

 

近年の株価高騰と比較されるのが1980年代後半のバブル期における株価高騰です。

バブル期に日本株の株価が急上昇した経緯を解説します。

 

1980年前半、過度なドル高によってアメリカの輸出競争力は大きく低下していました。

そこで、先進国5カ国は協力して市場介入し、ドル安になるような仕組みづくりをします。

 

その結果急速な円高が進み、たった3年で100円以上円高ドル安が進みました。

これだけ円高が進行すると、ドルなどに変えていてはどんどん損失が拡大します。

 

結果としてドルを売って円を持つ人が激増し、日本株は当時の最高値を更新することとなりました。

また、不動産価格が上がり続けていたことも日本株が好調だった要因のひとつです。

 

バブル期の日本株の最高値を更新は、純粋に日本円や日本企業が強かったからで、今回の日本株上昇とは状況が大きく異なります。

 

今回の高値は日本人にあまり恩恵がない

 

悩む女性

 

今回の最高値更新は、海外の投資家が日本企業の株を積極的に購入したことが最大の理由です。

また、巨大市場だった中国の経済が大きく落ち込んだことも影響が大きいと言えるでしょう。

 

中国経済は今後も復調する兆しが見られないことから、その分のお金が日本に流入して日本株が多く買われました。

他の理由を見ても、日本国内の経済による株価上昇というよりも、外部からの力によって日本株の株価が押し上げられたのが今回の経緯です。

 

したがって、バブル期のように日本国民全員が株価上昇の恩恵を受けているとはとてもいえません。

恩恵を受けているのは資金が十分にあり、新NISAが始まる前から株式投資をしていた一部の富裕層のみです。

 

急速に円安が進行したことと、燃料費高騰などによる物価高上昇により、食品も日用品も値上がりしたため、投資に回すお金はおろか、貯金すらできていないという人はとても多いのではないでしょうか。

 

貯蓄を投資にシフトしよう

 

 

今回の円安は一時的なものではなく、120円台くらいまで戻ることは無いのではとも言われています。

これまでのように急激な物価高にはならないものの、値下がりすることも期待できません。

 

したがって、円の価値はだんだんと下がっていくことが予想されます。

貯金や預金だけで資産形成するのは難しい時代になりました。

 

これからは資産の一部を投資に回し、物価高を超える利益を確保し続ける必要があります。

まとめ

 

 

日本株が上昇した要因は決して一時的なものではありません。

国内の経済が好調であること、重要な貿易相手であるアメリカ経済が好調であること、そして海外投資家が日本株を積極的に買っていることなどが日本株を押し上げている主な理由です。

 

そう簡単に崩れる要因ではなく、現在の経済情勢を維持し続ける限り、日本株が大きく下落することはないでしょう。

しかし、バブル期のように株価上昇に比例して私達の生活も豊かになっていくとは考えづらいです。

今回の株価上昇は、日本経済の回復を除けばほぼ外からの要因によって押し上げられており、恩恵を受けるのは株を多く保有している裕福な投資家のみです。

 

円安はこれまでは一時的なものであり、時間が経てば120円台くらいまで戻っていましたが、今回の円安は世界に対する円の価値が低下したことをニュ実に表しており、もう以前のような価格に戻らないと言われています。

物価高は今後も進行するので、資産を円で持っていては段々と相対的な資産は少なくなっていくことは避けられません。

 

これからは円で預金や貯金をするだけではなく、投資して資産運用しなければ資産を増やせない時代に突入していることを踏まえておく必要があります。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次