新NISAの積み立て投資枠とは?始めるための基礎知識を解説!

2023年より顕著になった物価高、さらに年金支給額の減少など、将来の生活に対する不安要素は年を追うごとに深刻なものとなっています。

そして2024年より、現行のNISAが新NISAに変わったことをきっかけに新NISAで資産運用しようという人が増えてきており、日本人の投資に対する考え方は大きく変化したといえるでしょう。

テレビなどでしきりに新NISAは良い制度だと紹介されていますが、投資には必ずリスクがあります。

何の知識もないまま新NISAを利用すると、場合によっては大きな損失を被ることになります。

本記事では新NISAの投資枠のひとつ、積み立て投資枠の特徴を詳しく解説します。

目次

新NISAの特徴を理解しよう

積み立て投資枠の説明をする前に、新NISAの制度そのものをあまり理解していない人もいるのではないでしょうか。まずは新NISAとはどのような特徴を持つ制度なのかについて紹介します。

積み立て投資枠と成長投資枠がある

新NISAには本記事で詳しく解説する積み立て投資枠と、成長投資枠があります。

両者の大きな違いは購入できる商品です。

どちらの枠を重要視するかで商品構成は大きく変わります。

1,800万円まで非課税

新NISAと通常の投資口座を比べた際のもっとも大きな違いは、新NISAは定められた金額内であれば税金がかからないという点です。

通常投資による利益は年間20万円以上になると、20%の税金が発生します。

しかし新NISAは、積み立て投資枠と成長投資枠合わせて1,800万円までが非課税となっています。

成長投資枠とは?

積み立て投資枠の解説をする前に成長投資枠についても簡単に解説します。

成長投資枠は、積み立て投資枠と比べて自由に株式商品を選べる枠となっています。

新NISAでAという会社の株を買いたいと思った時は成長投資枠を使って株を買うことになります。

また、株を売り買いして利益を得たいと考えている場合も成長投資枠を利用すると良いでしょう。

積み立て投資枠とは?

積み立て投資枠とは、株式商品を積み立てて資産を増やすことに特化した投資枠です。

株式で利益を出す方法には大きく2種類あります。

ひとつはインカムゲインで、資産を積み立てながら保有し続け、利息が増えていくことで利益を確保し、資産を膨らませます。

積み立て投資枠で購入できる「投資信託商品」は、比較的安定したリターンが期待できるので、インカムゲインに適しています。

もうひとつはキャピタルゲインで、こちらは資産を購入した時よりも高い金額で売ることで利益を出す方法です。

インデックス商品は急激に値上がりしないため、キャピタルゲインには向いていません。

成長投資枠でベンチャー企業など、急激に成長すると予測した企業の株を購入し、大きく成長を遂げた時に売れば数倍の利益を得られることもあります。

投資信託とは?

積み立て投資枠で購入できる投資商品は、投資信託のみとなっています。

投資信託とは、資産を投資のプロに預けてその資産をさまざまな企業に分散投資することで利益を得る投資方法です。

投資する企業は投資信託商品によって異なります。

日本国内の企業に分散投資するものもあれば、アメリカの企業メインになっているものもありますし、新興国メインになっているものもあります。

どのような企業に投資しているかでリスクやリターンは変わってくるので、投資信託を始める際は、商品の内容をしっかり確認しましょう。

積み立て投資枠のメリット

積み立て投資枠限定のメリットではありませんが、やはり1,800万円までは非課税になることは他の投資口座にはない大きなメリットといえるでしょう。

税金を気にせず投資できるのは非常に大きいです。

積み立て投資枠は運用による利益をメインとしているため、売り買いのタイミングを考えなくてよいのもメリットといえるでしょう。

長期的な運用による資産形成を目指すので、投資側がする事は定期的にお金を口座に積み立てていくことだけです。

また、これも積み立て投資枠限定のメリットではありませんが、必要であれば自由に売却して引き出せるのもメリットです。

したがって、余ったお金を全額とりあえず積み立て投資枠に入れておき、必要になったら必要な分だけ引き出すといった運用もできます。

自由度が高いのは利用する側から見ればとてもメリットが大きいです。

積み立て投資枠のデメリット

積み立て投資枠最大のデメリットは運用効果がすぐには出ない点です。

投資信託はインカムゲインで利益を得ることがメインになるので、どうしても目立った利益を実感するまでに時間を要します。

もう一方の株式を売買して利益を得るキャピタルゲインでは、1年で価値が倍になることもあるので、早く利益が欲しいと考える人には不向きです。

そして選択肢があまりないのも積み立て投資枠のデメリットといえるでしょう。

積み立て投資枠で購入できるのは、金融庁が認めた投資信託商品のみです。

個別の会社の株などを購入したい場合は成長投資枠を利用する必要があります。

とはいえ、金融庁が認めた投資信託商品は比較的リスクが少ない商品なので、投資初心者から見れば厳選された安全な商品のみを購入できるのは逆にメリットといえるでしょう。

銘柄選びでチェックすべきポイント

新NISAで投資を始めるにあたって必ず決めなければならないのが投資する銘柄です。

自分の大切な資産をどこに投資するかでその後の資産運用の行く末が決まるので、新NISAを進めるうえでもっとも重要な場面といえるでしょう。

銘柄選びの際は、これから解説する3つのポイントに注目して検証すると、自分に合った銘柄を見つけられます。

投資先

銘柄選びで真っ先に確認しなければならないのは、投資先の企業情報です。

積み立て投資枠に限定して投資先について解説すると、投資信託の商品はひとつの企業に全資産を運用するといったものではなく、あるカテゴリに分類される複数の企業に分散投資しています。

例えば積み立て投資枠のおすすめ投資先としてよく名前の挙がる「S&P500」は、アメリカのトップ企業500社に分散投資する投資信託です。

投資先の企業の一部は以下の通りです。

  • apple
  • google
  • アフラック
  • Microsoft
  • Amazon
  • テスラ

これはほんの一部ですが、ここに挙げた企業を見るだけでも世界に大きな影響力を持つ企業ばかりであることが分かります。

S&P500がおすすめされる最大の理由は、構成されている企業の安定性と将来性が非常に高いという点です。

他の投資信託商品も同じように複数の企業で構成されていますが、その企業がどの国の企業かは商品によって異なります。

S&P500に匹敵するおすすめ銘柄である「オールカントリー」はアメリカだけではなく、日本やイギリスなど先進国全般や一部新興国の企業も含まれています。

資産の配分

投資信託の主な投資先は、「株式」と「債券」の2つに分けられます。

株式は会社にお金を融資した証明書で、会社が利益を挙げると株式の価値が上昇するほか、利益に応じて配当金や株主優待が支給されるものもあります。

債券も株式と同じように企業にお金を貸したことによる証明書ですが、債券で受け取れるのは債券の利子です。

利子なので、株式のように企業の業績によって価値は上下しません。

債券を売った場合は、買ったときに支払ったお金がそのまま戻ってきます。

債券は株式と比べると利益は少ないものの、企業の業績に関係なく一定の利益を得られるというメリットがあります。

リターン優先ならば株式が多い投資信託商品を購入したほうがよいでしょう。

安定を求めるならば、債券が多い投資信託商品が適しています。

手数料

銘柄選びをする際に確認しておかなければならないのが手数料です。

投資信託を利用する際の手数料は大きく3つに分かれます。

  • 販売手数料
  • 信託財産留保額
  • 信託報酬

販売手数料は投資信託を購入した際の手数料、信託財産留保額は投資信託を解約した時に発生する手数料、信託報酬は投資信託を運用した運用会社に対して支払われる手数料です。

同じ銘柄を扱っている投資信託商品でも購入先によって手数料が大きく異なるので、できるだけ手数料が安いところから購入するようにしましょう。

まとめ

新NISAは保有している資産のうち1,800万円までが非課税になる制度で、積み立て投資枠と成長投資枠と2つの投資枠に分けられます。

このうち積み立て投資枠は金融庁が認めた投資信託商品のみを購入できる投資枠で、新NISAを始める人は積み立て投資枠から投資を始めると比較的ローリスクで資産運用を進められます。

投資する銘柄は、投資先・資産の配分・手数料を必ず確認したうえで購入してください。

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